図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて

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ポイント:マーケットの本質は"不確実性"

ウォール街の超一流トレーダー出身で、歴史に名を残す財務長官といわれたロバート・ルービン氏の思考や行動には、"確かなものなど何もない、すべては確率論としてとらえるべきである"という信念が貫かれているといいます。
(中略)
マーケットの本質は"不確実性"です。「こうすれば必ず儲かる」という方程式は残念ながら存在しません。したがって、優れた投資理論とは、「マーケットの本質である不確実性にどう対処するか」ということを解き明かすものにほかなりません。(p.2)


繰り返しになりますが、"理論"が大切なのではありません。理論は現実をよりよく説明し、よりよく理解するためのツールなのです。(p.18)

2005年のようなある一定期間上昇トレンドが続いているときに有効な手段(理論)はありますが、あくまでそのとき限定です。2008年秋の下降トレンドも確率的には100年に1回なのかも知れませんが、2005年の時と同じように対処したら痛い目にあうだけでした。
不確実性に対しては、そのときに応じて対処を取らなければなりません。理屈は単純ですがなかなか上手くはいきません。マーケットの理論だけではなく、こうしたなぜ上手くいかないか人間の心理についても書いてあります。

 最後に、この点に関して、投資の世界から少し離れますが、日露戦争のときに海軍の作戦参謀として活躍した秋山真之という人のエピソードで締めくくりたいと思います。
 秋山真之は、世界の海戦市場で不滅の金字塔というべき日本海海戦の作戦を立案した偉大な戦術家です。
 彼がまだ若いころ、米国の駐在武官になったことがありました。当時の米国には、海軍戦術の世界的権威だったマハン退役大佐がおり、秋山真之はこのマハンのもとで個人教授を受けます。マハンは彼にこう教えます。
「戦略や戦術は教科書や授業で教わることはできない。会得するためには、過去の戦史を自分で丹念に調べることである。戦いの本質は古今東西、陸海とも変わらない。古代に至るまでありとあらゆる戦史を調べ、さらに陸上戦についても調べるべきだ。そして古今の戦術書を読み、その中から本質を抽出し、自分なりの作戦原理を生み出すべきである。借り物ではなく、自分自身で編み出した作戦原理だけが、応用が効くものである」(p.250,251)

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。
とはいえ、応用が効く(理論と現実の差を埋まる)までは自分自身で失敗という痛みを感じながらとなってしまいます。


坂の上の雲 <新装版> 1

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坂の上の雲 <新装版> 2

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坂の上の雲 三 新装版

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坂の上の雲 四 新装版

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坂の上の雲 <新装版> 五

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坂の上の雲 <新装版> 六

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