「グローバル・マインド 超一流の思考原理」

グローバル・マインド 超一流の思考原理―日本人はなぜ正解のない問題に弱いのか

グローバル・マインド 超一流の思考原理―日本人はなぜ正解のない問題に弱いのか

前回は(「グローバル・マインド 超一流の思考原理」セミナー - Nの世界)、セミナーの内容を中心としてまとめましたが今回は書籍の内容を中心に再度まとめてみました。

著者の藤井 清孝さんは、今でこそ日本人が外資系の企業に就職するのは珍しくありませんが、1980年代にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。

書籍の著者の略歴より
 ・1957年神戸生まれ
 ・1981年東京大学法学部卒業
 ・1981年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社
 ・1986年ハーバード大学経営大学院卒業
 ・1986年ファーストボストン投資銀行ニューヨーク本社のM&Aグループに勤務
 ・40歳で日本ケイデンス・デザイン・システムズ日本法人社長就任
 ・2000年SAPジャパン代表取締役社長
 ・2006年ルイ・ヴィトンジャパンカンパニーCEO
 ・2006年ベタープレイス・ジャパン代表取締役社長就任

全員が社長になるわけでもないし、なる必要はありませんが
 ・インベストバンカー
 ・コンサルティング
 ・会社経営
と、海外の会社でこれだけ仕事をしてきた人は少ないのではないでしょうか。私はこの略歴だけで読む価値があると思い読みました。盛りだくさんの内容だったので、3点についてまとめました。

「自分で決める人生」がエネルギーを生み出す
東京の通勤時の電車の中のサラリーマンは、何かにじっと耐えているような雰囲気さえあったが、マンハッタンで通勤する男女は、ウォールストリート・ジャーナルとコーヒーカップを抱え、活気に満ちて颯爽とオフィス街に消えていく。

私なりにずっと考えたすえに出した結論は、「自分の仕事、キャリアが自分で能動的に選んだ結果のものかどうか」がカギではないかと考えるようになった。
ニューヨークに何となく住んでいる人はありまりいない。皆ここで一旗揚げようとほかの街から来て、難問をくぐり抜けてやっと念願の職に就いた人たちがほとんどだ。

すなわち、ニューヨーカーのエネルギーは「自分が好き好んで、この街と職を選択したので、時間を無駄にはできない」覚悟からきているのだ。(p.3)

ニューヨークではなく東京の通勤時の電車の中のサラリーマンの方なので実際には分かりませんが、雰囲気だけでこれほど環境の違いを感じるのはとても大きいのではないでしょうか。今の経済状況だと少し違うのかも知れませんが、一度はニューヨークに行って体験しておきたいと思いました。

人間はずーっと同じ環境に長くいると、内向きの見方をベースにした思い込みが過剰に醸成され、外部から見たときの視点に気づかなくなると考えされられた。(p.20)

また、いろんな人に意見を聞くのはよいが、助言者の思い込みと、自分に意味のある事実や情報を分ける視点を持ち、あくまで自分自身の「個別解」を導き出すことの大切さも学んだ。(p.22)

「個別解」を導き出すこと、それはサブタイトルにもある「日本人はなぜ正解のない問題に弱いのか」の解であると思います。
現在、私自身は違う業界に移って仕事をしていますが、前の業界では当たり前と思っていたことが今の業界(会社)だと全く行われていなくて効率の悪さが目に付くことがあります。効率の悪いことが続いているのに気が付いたのは私自身の能力の問題ではなく、社外の視点を持つ人が少ないからだと思います。

会社の業績は右肩上がりになりにくい非連続の社会、会社の寿命がますます短くなるといわれている社会の中では、ますますその会社特有の技術を持つ人はリスクが高くなってくるのではないでしょうか。だからといっていきなり現在の会社を辞めて今までと違う視点を持つ必要なく、セミナーなどに参加し社外・横のつながりを持つようにするだけでもかなり違ってくるのではないかと思います。私自身技術があるわけではないので外部の視点を持てるように今年に入り色々なセミナーに参加し、その内容をブログにまとめることを始めました。

英語力の弱さは今後致命的になる
英語はOS
理由は簡単で、これだけ経済がグローバル化してくると、自国以上の広い経済圏を最初から念頭に置いていないと事業自体が成り立たず、多くの国、多言語を前提にしたオペレーションが当たり前となり、自動的に共通言語として英語が選ばれるのだ。(p.227)

英語がOSとして機能している現実がある以上は、文句を言っても仕方がありません。でも、文句を言いながら学んでも仕方がないので自分なりに楽しみながら英語を学び始めました(記録と分析 - Nの世界)。


3点にまとめてみましたが、あれもこれも書きたいことが出てきました。
もう一度読んでみたいと思います。