インテル戦略転換

インテル戦略転換

インテル戦略転換

しかし、資本主義の現実は、教科書に記された図式どおりにはいかない。重要なのは、価格競争ではなく、新しい商品、新しいテクノロジー、供給源、新しいタイプの組織をめぐる競争である……、現実の競争とは……、既存企業の周辺をかすめるものではなく、その企業の根底を、さらには存在自体を揺るがすものなのだ。


――J・A・シュンペーター
『資本主義、社会主義、民主主義』1942年


新しいルールによってどのように適応して来たか。一般論を踏まえた上でインテル自身が行ったことが書かれています。例えば、従来の一社で全ての作業を行う縦割り型から現在のパソコンのような横割り型に変化していった例が書いてあります。さまざまな業界の例があるということは、つまりどこでも起こるということです。

横割り型業界に適応
「グローバル・マインド 超一流の思考原理」セミナー - Nの世界

・競争:ウォルマート
    ネクス
・テクノロジー:海運業(「コンテナ物語」 - Nの世界
        パソコン
・顧客:人口の時限爆弾
・供給業者:旅行代理店
・法規制:電信会社、民営化


和訳されたこの本が出版されたのが今から10年以上前の1997/11/10ということに驚きました。しかし、今見てもその内容は色褪せてない感じがします。そして、如何に自分が遅れているかとも感じてしまいました。

序章  パラノイアだけが生き残る
    ――遅かれ早かれ、あなたの業界の基礎的要因に変化が起きる

第一章 何かが変わった
    ――新しいルールが敷かれ、われわれは五億ドル近くの損失を被った

第二章 「10X」の変化
    ――移行期の影響は深刻で、その時の対応が企業の将来を決める

第三章 コンピュータ業界の変貌
    ――コンピューティングの基盤だけでなく、競争の基盤も変化した

第四章 それは、どこにでも起こる
    ――戦略転換点は、ハイテク業界特有の現象ではなく、誰の身にも降りかかる

第五章 われわれの手でやろうではないか?
    ――メモリー事業の危機を克服し、われわれは戦略転換点の何たるかを学んだ

第六章 「シグナル」か、「ノイズ」か
    ――シグナルを見分ける唯一の方法は、深く広く議論することである

第七章 カオスに統治させよう
    ――解決は、実験から生まれる。殻を破ることから新たな発想が生まれる

第八章 カオスの手綱をとる
    ――何を追及するかだけでなく、何を追及しないかを明確にすることが重要だ

第九章 インターネットはノイズか、シグナルか
    ――数兆ドル規模の市場を左右するものは、それが何であろうと見逃せない