マイクロソフトでは出会えなかった天職

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった


当時、マイクロソフトマーケティング・ディレクターとして働いていた作者のジョンさん。9年ぶりの長期休暇でヒマラヤ(ネパール)へ行き、現地で出会った50代半ばの男性と話、学校へ行き、図書館に本がほとんど無いことを知ったところからルーム・トゥ・リードは始まります。

ルーム・トゥ・リードの活動について
ルーム・トゥ・リードの目標は、2020年までに1000万人の子供に、生涯の教育という贈り物を届けることです。実現のためにあなたの支援が必要なのです!
あなたの協力で発展途上国の子供の人生が変わり、世界が変わるのだから。


そして、それはジョンさんの今までの生き方の優先順位を変える出来事となりました。

頭の片隅から声が聞こえた。「わかているくせに。きみがいなくてマイクロソフトが困るのは、せいぜい一ヶ月か二ヶ月のこと。すぐにだれかが穴を埋める。きみなど最初からいなかったみたいにね。でも、貧しい村に学校や図書館を建てる手助けをしようと思う人が、何千人もいると思うか?この仕事はだれもやっていない。きみが挑戦しなくてどうする」(p.54)


どこか遠くに約束の地があるとは思わなかったが、未来ははっきり見えていた。自分の決めた道を突き進め。ソフィだって、二人の人生の道は違うことを認めさえすれば、もっと幸せになれる。途上世界を旅して慈善活動をする僕の新しい人生を彼女が望んでいないのとおなじくらい、外国で贅沢な生活を送りながらキャリアを積むこれまでの人生を、僕は望んでいない。二人ともまちがってはいない。それが人生だ。僕たちはそれぞれ違う優先順位を持っている。彼女をいまも心から尊敬しているし、自分が選んだ道で活躍する彼女を見ているとうれしい。ただ、これまでと同じ条件に合わせて「最適化」した人生を、もう送りたくはなかった。(p.88)


「人生におけるあなたの役割は、海を望むステキな家に住むことじゃない。どのみち家にはほとんどいないでしょう。いまやっていることをつづけるべきよ。あなたには、ほとんどの人が持っていないものがある。自分が何をしていて、何をしなければいけないか、つねに実感できるたしかな手ごたえを持っているのよ。大きな家を買うためにそれを犠牲にするなんて、大きなまちがいよ。(p.202)


世界を変える手助けをするために自分の人生を少し変えてみようと思っているなら、僕の心からのアドバイスをひとつ。――考えることに時間をかけすぎず、飛び込んでみること。(p.246)


一人で考える時間が長いほど、否定的な力に引き寄せられて取り込まれやすくなる。(p.247)


マイクロソフトから社会企業家になったとはいえ、そこで得たものが全く意味がなかったことではなく、むしろビジネスの世界で経験したことを応用し、現在も活動を継続されています。

「そのとおりです。ところでハーバード・ビジネススクールの言葉をご存知ですか?」。ビルとジェニーは首を横に振った。「ポーターは、旅行業界の歴史を通じて、レンタカーを洗車した人は誰もいないと言いました。所有している意識がなければ、長期的なメンテナンスはしないのです。私たちのプロジェクトも同じだと思っています。(p.105)

大きく考えることが肝心だと信じていたからだ。マイクロソフトでは「大きく行け、それができなければ家に帰れ」と言われていた。これこそ、何か変化を起こしたいすべての人に送るアドバイスの核心だ。(p.138,139)


このアドバイスについて、僕のお気に入りの「見本」はアマゾン・ドットコムだ。(p.140)


「バルマー主義」で僕が恐れていたのは、「きみは自分の数字も知らないのか」と言われることだった。年一回の視察の前は、スティーブの光る頭がどんどんふくらんで、このセリフをくり返し、僕は泣きそうになりながら数字を探して書類を引っかき回すという悪夢を見たものだ。


ティーブの数字攻めは厳しかったが、理由があることはわかっていた。幹部が自分の仕事にどれだけ関心を払っているか、試していたのだ。関係のある数字をすべて確認して、頭にたたき込むくらいの情熱がなければ、データと実績を中心に回るスティーブの世界ではやっていけない。(p.165)

手荷物受取所の外に大勢の人が待っていた。本当にたくさんの人たちが。アメリカでは、忙しすぎる僕たちは友人を空港へ迎えにいく習慣をほとんど忘れてしまった。

ネパールでは、空港へ迎えにいくことがいまも大切な約束事だということは一目でわかる。(p.257)


出版講演会の内容はこちら。
社会を変えるリーダーに必要なこと - Nの世界