ポーターを読む
- 作者: 西谷洋介
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2007/04/14
- メディア: 新書
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マイケル・ポーターさんについては、企業の競争要因として次の5つを下記の2冊で知ったレベルでした。
1.参入への障壁
2.供給者の能力
3.消費者の能力
4.代替
5.競争
(6.補完物)
(7.政府)
・ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場 - Nの世界
・インテル戦略転換 - Nの世界
Amasonの商品説明では、「ポーターの主著である『競争の戦略』『競争戦略論』などで展開されている思想と論理を理解するためのコンパクトな入門書です。」とありましたので読んではみたものの、私にはまだまだ知識が足りないということがよくわかりました。
マイケル・ポーターは、単純に企業内部の要因を重視する考え方に反対しています。むしろ外部環境が与える影響を重視して、企業が良い業績を達成するためには業界の中で良いポジションを見つけることが重要だと、ポーターは論じています。
(略)
どうやって競争に勝っていくか、という大局観を変えない限り、新しい競争環境に勝ち残れません。(p.13)
こうした軸の上でどこのポジションをとるかは簡単には変えられないという論点が、ポーターの戦略論の要になっています。それはオペレーションを改善していくのが難しいといった実行レベルでの難しさを指摘しているのではなく、明確な選択に基づく戦略ポジションは何らかのトレードオフ(相反関係、二者択一)を含んでいるという根本的な難しさを指摘しています。
ポーターは、どんなに効率を改善していっても、二つの軸について両方の改善を同時にはできないような限界があることを指摘しています。(中略)どの顧客をターゲットとするかという軸についても、同様の問題が生じてきます。ユニクロの購買層を満足させる品揃えやサービスを追及していっても、高級ブランド店に買い物に来る客を満足させることはできません。二つのまったく異なる顧客セグメントを同時に満足させるようなポジショニングはとりえないのです。(p.29,30)
このように簡単には移転できないような組織能力こそが競争優位の源泉である、とうのがリソース・ベースト・ビューの考え方です。
ポーターはこうした考えに対して反論しています。スキルや組織能力は最終的にはオペレーションの問題であって、競合のベンチマーキング、新聞や雑誌での報道、取引先や退職した従業員、等々の情報によって遅かれ早かれ模倣される、というのがポーターの考えの根幹にあります。
それに対して、戦略ポジショニングのほうが模倣されにくいというのが、ポーターのポジショニングを重視する理由です。
(略)
明確な戦略ポジションを選択して、それを守り、発展させ続けるのは簡単なことではない、というのが、彼の主張です。(p.33)
そんなレベルの私ですが、戦略ポジショニングが如何に重要なのかが具体例やいろいろな視点によりわかりました。
目次
[Ⅰ]競争が何をもたらすのか
1―ポーターの競争感
2―避けるべきものとしての競争
3―競争から競争優位へ
4―競争優位からイノベーションへ
[Ⅱ]五つの競争要因を学ぶ
1―競争要因を考える
2―経済学的に捉えた五つの競争要因
3―競争要因はオールドエコノミーのみ当てはまるか
4―各要因についてのポイント
5―業界構造分析の例
6―業界構造への対応
[Ⅲ]戦略ポジションを巡る争い
1―競争優位の源泉
2―戦略ポジションの選択
3―戦略ポジションの発展
4―イノベーションのジレンマと戦略ポジションの革新
[Ⅳ]クラスターと政府の役割
1―立地という視点
2―ダイヤモンドフレームワーク
3―クラスターとは
4―クラスターの政策的な意味合い
[Ⅴ]日本の競争戦略を考える
1―オペレーション効率の範囲を広げる
2―日本企業の独自性を活かす
3―グローバルな産業構造の変化に対応する
4―新しい組織モデルを作る
5―新しい産業インフラを作る
日本企業が取り組むべき新たな課題
1.長期的視点に基づいた独自性のある戦略を立案する
2.オペレーション効率の対象範囲を拡大する
3.戦略における産業構造の役割を学ぶ
4.経営目標を、成長から収益性へ転換する
5.関連性のない分野への多角化を止める
6.日本型組織モデルを更新する
7.国の経済発展における民間部門の新しい役割を構築する(p.175)
イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)
- 作者: クレイトン・クリステンセン,玉田俊平太,伊豆原弓
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2011/12/20
- メディア: 単行本
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