図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて
図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて
- 作者: 田渕直也
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2005/04/07
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ポイント:マーケットの本質は"不確実性"
ウォール街の超一流トレーダー出身で、歴史に名を残す財務長官といわれたロバート・ルービン氏の思考や行動には、"確かなものなど何もない、すべては確率論としてとらえるべきである"という信念が貫かれているといいます。
(中略)
マーケットの本質は"不確実性"です。「こうすれば必ず儲かる」という方程式は残念ながら存在しません。したがって、優れた投資理論とは、「マーケットの本質である不確実性にどう対処するか」ということを解き明かすものにほかなりません。(p.2)
繰り返しになりますが、"理論"が大切なのではありません。理論は現実をよりよく説明し、よりよく理解するためのツールなのです。(p.18)
2005年のようなある一定期間上昇トレンドが続いているときに有効な手段(理論)はありますが、あくまでそのとき限定です。2008年秋の下降トレンドも確率的には100年に1回なのかも知れませんが、2005年の時と同じように対処したら痛い目にあうだけでした。
不確実性に対しては、そのときに応じて対処を取らなければなりません。理屈は単純ですがなかなか上手くはいきません。マーケットの理論だけではなく、こうしたなぜ上手くいかないか人間の心理についても書いてあります。
最後に、この点に関して、投資の世界から少し離れますが、日露戦争のときに海軍の作戦参謀として活躍した秋山真之という人のエピソードで締めくくりたいと思います。
秋山真之は、世界の海戦市場で不滅の金字塔というべき日本海海戦の作戦を立案した偉大な戦術家です。
彼がまだ若いころ、米国の駐在武官になったことがありました。当時の米国には、海軍戦術の世界的権威だったマハン退役大佐がおり、秋山真之はこのマハンのもとで個人教授を受けます。マハンは彼にこう教えます。
「戦略や戦術は教科書や授業で教わることはできない。会得するためには、過去の戦史を自分で丹念に調べることである。戦いの本質は古今東西、陸海とも変わらない。古代に至るまでありとあらゆる戦史を調べ、さらに陸上戦についても調べるべきだ。そして古今の戦術書を読み、その中から本質を抽出し、自分なりの作戦原理を生み出すべきである。借り物ではなく、自分自身で編み出した作戦原理だけが、応用が効くものである」(p.250,251)
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。
とはいえ、応用が効く(理論と現実の差を埋まる)までは自分自身で失敗という痛みを感じながらとなってしまいます。
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/04/09
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- 作者: 司馬遼太郎
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本日の相場(20091026)
先週、NY市場は底堅いと書きましたが、23(金)に約100ドルを下げましたが先週末とほぼ変わらず。下げても、25日移動平均線を割らなければまだまだ底堅いと見た方が良い感じです。
そして、日経平均は、ファーストリテイリングで何とか下げ渋っています。もしもの話はあまり意味がありませんが、同社が日経平均に採用されていないと386円下がっていたともいえるそうです(日経ヴェリタス 2009年10月25日号の60ページより)。
逆に言えば、ファーストリテイリングのチャートを見ると少し値を飛ばしすぎているので、このあと少しの調整があるかもしれません。そのときに、日経平均を支える銘柄があるのか。
もし、10,500円を超えられないようですと、再び一旦は1万円割れになるかもしれません。いずれにしても、もう少し様子を見てから動いても遅くないと思います。
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
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日経ヴェリタス 2009年10月25日号
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
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情報・スピード・財力、世界に遅れ
事業・組織の見直し、技術・開発力発揮への試金石
世界の電機大手の時価総額
●1999年末
・52.8兆:GE
・43.7兆:日本の電機大手8社の合計
・28.6兆:インテル
・21.4兆:ノキア
・14.4兆:IBM
●2004年末
・39.5兆:GE
・17.0兆:日本の電機大手8社の合計
・16.7兆:IBM
・15.4兆:インテル
・ 7.7兆:シーメンス
●2009年10月
・16.7兆:アップル
・15.0兆:GE
・14.4兆:IBM
・13.7兆:日本の電機大手8社の合計
・10.1兆:インテル
日本の電機大手8社(パナソニック、ソニー、東芝、三菱電機、富士通、シャープ、日立、NEC)(p.5)
ソニーVSアップル(1999年度と2008年)の比較では、ソニーの時価総額が1/5になっています。
しかし、時価総額よりも気になったのがアップルの純利益率の高さです。1999年度の時点でアップルはソニーを上回っていました。2008年ではその差はさらに開いています。これは、1つには事業モデルの違いを表しているということでしょうか。
意思決定のスピードには大きな差がある。サムソンはトップが自ら世界中の人を配して情報収集し、設備投資や価格の上げ下げを数日中に決めてしまう。一方、一般に日本の電機はマネジメント階層が多く、複雑。事業部長クラスがOKを出しても役員段階で1カ月程度決定は滞るから、価格や生産面の主導権はシェアの大きいサムスンなどに握られてしまう。(p,5)
良い悪いは分かりませんが、今の時代(将来)のやり方に合わせないとその差はどんどん開いていきそうです。
参考
●総合から専業へ
売れるもマーケ 当たるもマーケ - Nの世界
●早い経営判断
藤井清孝氏が直伝する「グローバル・マインド」実践講座シリーズ第1回 - Nの世界
パラダイス鎖国
パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)
- 作者: 海部美知
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ポイント:国内市場の大きさ
現代の大国ニッポンの姿
これらの現状の事態を総合すると、日本は、次のような特徴を持っていることがわかる。
1 世界2位の経済規模を持ち、その地位は現在でも安泰である。
2 アメリカと同様に、国内市場がきわめて大きい。
3 アメリカでの存在感は最近低下している。
4 日々の生活で実感できる「豊かさ」指標では、欧米の大国をしのぐ水準にある。
5 国民全員が享受できる基本的なもの意外では、設備や変化が進まない。
6 経済は90年代以降の停滞から完全に脱していない。
7 財政赤字、累積債務、政府部門の効率の悪さが際立った問題である。(p.075、076)
国内市場が大きいがゆえに、国内市場向けの商品の比率が大きいままで企業が継続できている理由が書いてあります。
90年代半ばまで、すなわちアナログ時代には、アメリカでも松下、NEC(日本電気)、富士通、沖電気、三菱電機などの日本製の携帯電話端末が活躍していた。総務省『平成19年版情報通信白書』によると、97年の世界市場における携帯電話端末の国別シェアでは、日本が33.3%で世界のトップであった。(p.034)
そして、上記「5 国民全員が享受できる基本的なもの意外では、設備や変化が進まない。」という特徴を持っているため、例えば携帯電話でもデジタル方式を決められず世界のトップの時期もあったのに陥落することとなりました。
結論からいうと、日本とアメリカは「パラダイス鎖国」の同士なのである。いや、むしろアメリカのほうがその度合いは強烈だ。日本よりさらに大きな国内市場を持ち、生活水準の高い暮らしにもっと長い歴史を持つアメリカでは、外国のことにまったく興味がなく、国内だけに閉じた生活で不便を感じないという人や企業が大半を占める。日本人が接触を持つ機会が多い、ニューヨークやシリコンバレーに住む国際感覚豊かなアメリカ人は、実は例外的な人たちなのだ。(p.117)
例えば、アメリカの自動車業界の対応を見ると確かにそうかも知れません。でも、電気自動車時代に突入したとき、日本の自動車業界も上記のアナログ携帯電話のように、取り残されてしまうかもしれません(藤井清孝氏が直伝する「グローバル・マインド」実践講座シリーズ第3回 - Nの世界)。
目次
第1章 「パラダイス鎖国の衝撃」
Ⅰ 失われゆく「海外」の輝き
Ⅱ 『HEROES/ヒーローズ』に見る日本人
Ⅲ パラダイス鎖国・産業編
第2章 閉じていく日本
Ⅰ 輸出は「悪」か?
Ⅱ 閉じていく日本のカタチ
Ⅲ パラダイス鎖国という現実
第3章 日本の選択肢
Ⅰ 21世紀の「ゆるやかな鎖国」
Ⅱ 「豊かさ」の戦略
Ⅲ アメリカに何を学ぶか
Ⅳ 多様性の国を目指して
第4章 日本人と「パラダイス鎖国」
Ⅰ モーレツ社員でもなく、引きこもりでもなく
Ⅱ 雇用慣行が日本人を変える
Ⅲ 「脱・鎖国」の日本人
参考
michikaifu’s diary
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/d71d1f1605b452fcc0d7fa98ef466d48
日本の電機産業再編へのシナリオ―グローバル・トップワンへの道
- 作者: 佐藤文昭
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小林かいちの魅力
- 作者: 山田俊幸,永山多貴子
- 出版社/メーカー: 清流出版
- 発売日: 2009/07
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他の人のブログを定期的に見ていると、自分の目に止まりやすい以外の分野が目に入ってくる機会があるので視野を広げる機会となります。
小林かいちとは - はてなキーワードによると
近年の絵はがきブームと相まって人気が急上昇し、各地で展覧会が開催されている。昨年は初の画集も出版された。
この本で、「絵はがき」の分野について初めて知った気がします。
伊香保の近くに行くときは伊香保 保科美術館 公式ホームページで実物をみたいと思います。
- 作者: 小林かいち,生田誠,石川桂子
- 出版社/メーカー: 二玄社
- 発売日: 2008/10/01
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- 作者: 山田俊幸,永山多貴子
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2007/06
- メディア: 大型本
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パソコン世界出荷台数(2009年6〜9月)
20.2%( 1.3):HP(米)
14.0%( 2.6):エイサー(台湾)
12.7%(-1.5):デル(米)
8.9%( 1.2):レノボ(中国)
5.2%( 0.3):東芝
39.0%( 3.9):その他
米IDC調べ、カッコ内は前年同期比増減率ポイント
( 日本経済新聞 2009年10月15日(木曜日)3面 夕刊 )
私の中での認識は、「エイサー = 低価格ノートーパソコン」。
設立は最近(2000年代)なのかな?と思っていたら、事実と全く違いました。世界のTop3。エイサー (企業) - Wikipediaによると、Gatwayを買収した企業だったんですね。
(使ったことはないのですが)低価格でも市場の要求するスペックを満たしはじめているようなので、まだまだ伸びるのではないでしょうか。
Amazonで下記の本があったのですが、「現在お取り扱いできません」。レビューもないので、探して読んでみたいです。
- 作者: 荘幸美
- 出版社/メーカー: 創成社
- 発売日: 2004/03/30
- メディア: 単行本
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日経ヴェリタス 2009年10月18日号
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2009/10/18
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成長の源は人口パワー
「若さ」ブラジル有望、中国は今がピーク
飛躍のチャンスは人口ボーナス期(働き手/子供+高齢者)の比率が高まる時期、1国に1度のチャンス。
中国が一人っ子政策の反動で人口ボーナス期が2015年以降に減少に転じるとは知りませんでした。
そもそも、人口の増加・減少については関心を持ったばかりですが(雇用の常識「本当に見えるウソ」 - Nの世界)日本だけでなく日本以外の国々がどうなのも重要です。
中国が減少に転じるとはいえ、幸いにしてアジア内で人口ボーナス期に差があるそうです。もうすぐ、2010年を向かえその次には2020年はどうなっているのでしょうか(2020年からの警鐘 - Nの世界)。